株式投資基礎 本決算発表後に加わる新年度予想に注目!!
サミーネットワークス(3745)の例を見てみましょう。
「株式投資基礎 本決算発表後に加わる新年度予想に注目!!」
1.四季報をチェック
2号分の四季報を掲載します。
(1)四季報3集号(6月半ば発売)
単位:百万円 | 売上 | 営業利益 | 経常利益 | 利益 | 1株益(円) |
10.3予 | 12,400 | 2,500 | 2,500 | 1,350 | 30,623 |
11.3予 | 13,500 | 3,000 | 3,000 | 1,600 | 36,294 |
※PERは23万円(株価)÷3万6294円≒6倍
(2)四季報2集号(3月半ば発売)
単位:百万円 | 売上 | 営業利益 | 経常利益 | 利益 | 1株益(円) |
09.3予 | 11,000 | 1,750 | 1,700 | 1,500 | 34,026 |
10.3予 | 11,500 | 1,800 | 1,750 | 900 | 20,416 |
※前号
注目はやはり業績の推移で、その中でも特に今季(10年3月期)と来期(11年3月期)の予想数字です。
業績推移を見ると、順調に伸びています。
次にPERを計算してみると、6倍程度と割安です。
そこで、前号と比べてみます。
すると、年度に食い違いが起こっています。
これはどうしたことでしょうか。
前号が発売されたのが3月半ば、最新号が6月半ばです。
そしてサミーネットワークスは3月決算企業ですから、4月~5月に本決算が発表されたのです。
本決算では、3月末に終わった期の数字(この場合には09年3月期の数字)が確定します。
つまり、それまでは予想値として変動していた数字が確定したわけです。
会社四季報では前号までは「09年3月期」と「10年3月期」の2期分の予想を掲載していたわけですが、本決算で「09年3月期」の数字が確定しましたから、新たに「11年3月期」の予想数字を掲載することになります。
つまり、最新号に出ている「11年3月期」の予想はなんと初登場。
それだけに注目度が高く、良い数字なら良いサプライズになる可能性があります。
この例では、11年3月期予想は経常利益が前年比2割増となかなか良い数字です。
また、前号で予想数字として出ていた09年3月期、10年3月期と最新号での数字を比べると、ともに大きく上方修正されています。
つまり、前号の予想数字が2期分とも大きく上方修正され、さらに新しく加わった年度も順に拡大しているのです。
業績モメンタムは良く、PER7倍という割安な状態ですから、かなり有望そうです。
実は同社は、4月28日の本決算発表で、新年度の「10年3月期」について、経常利益25億円(前年比10%増)という好調な予想を出してきました。
この数字は、当時発表されていた会社四季報(2集号)の予想数字(17憶5000万円)を大きく上回るものでした。
これがサプライズとなって、14万円台だった株価は6月半ばに22万円台にまで上昇していました。
その後、6月半ば発売の会社四季報で「11年3月期」の経常利益が30憶円と一段と伸びていたことがサプライズとなり、37万円まで株価上昇したのです。