株式投資基礎 四半期決算で隠れた上方修正を探す!!
「四半期決算で隠れた上方修正を探す!!」
1.日経新聞の投資・財務欄からスタート
上方修正の情報は、「わかりやすい形でニュースとして与えられるとは限りません。
そこで今度は、「隠れ上方修正」や「上方修正の兆し」の見つけ方の手順を紹介していきます。
下のメガネトップの業績記事を見てください。
年度 | 売上高(億円) | 経常利益(百万) | 純利益(百万) | 1株益(円) | 配当(円) |
07.4-12 | 311 |
1343 |
255 | 13.4 | 0 |
08.4-12 | 344 | 3571 | 1907 | 82.0 | 0 |
09.3予 | 458 | 4600 | 2400 | 102.9 | 0 |
これは09年3月決算期第三四半期決算の記事です。
直近の第三四半期累計(9か月分の業績数字)が真ん中、前年同期の数字が上、通期予想が下に並んでいます。
第三四半期累計の数字は前年比で売上311億円→344億円、経常利益13憶円→35億円と伸びています。
業績の流れは良さそうです。
さらにPERを確認します。
通期予想の1株益は103円、当時の株価は900円前後なのでPERは9倍です。
チャートも26週移動平均線が横ばい、13週移動平均線が上昇してきている状態でなかなか良い形でした。
2.業績発表の履歴を確認する主観を身につけよう!
そこで今度は業績のモメンタムはどうなのかを確認します。
そのためには、会社のホームページの「投資家情報」で1つ前の業績発表のデータを見ます。
今回、発表された通期の業績予想と1つ前の業績発表時の予想とを比べてみて、変化がないかを調べるためです。
基本的には、3か月前の決算発表の時のデータと比べることになりますが、3か月以内に業績修正発表が出ていれば比較します。
この時、メガネトップのホームページで業績発表の履歴を見ると、3か月以内に業績修正のリリースがありませんでしたので、3か月前の08年11月に発表された第二四半期(中間期)の決算短信を見ます。
決算短信の下の方に出ている連結の通期業績予想ですが、「売上455億円、経常利益42億円」となっています。
これを今回の発表と比べると、売上は若干上方修正ですが、経常利益は4億円(約9%も上方修正しています。
この時はかなりの不況でしたが、その中でも業績モメンタムが強いことが確認されました。
株価もこの情報に反応し、そこから2か月で約2倍に急伸しました。
この事例はまさに「ニュースとして流されなかったけど、よく確認したら上方修正だった」というものであり、「隠れ上方修正」と言っていいものです。
このように「業績発表の履歴を確認する」というひと手間をかけることで、他の投資家が気づきにくい変化を見つけられるのです。